いざ、時と闇をめぐる冒険へ
「大変です!」
サーナイトのルーナから突然交信が入ったのは、ヒトカゲのエセルとミズゴロウのミズらんがエーデル・レスキューズ基地でまったりしていた時だった。
「る、ルーナ!? どうしたんだよ、急に」
「青の勇者のパルスに異常が見られました」
ルーナは答える。
この世界を創造したといわれる四人の勇者と十三人の戦士、そしてそれぞれと対になる十七人の巫女。世界の崩壊を食い止めるため、それぞれの魂を集める者たちがいた。赤の勇者の魂を持つエセルや、若草の巫女の魂を持つルーナも、その者たちの一員である。
そして、ルーナは特別な役割を与えられ、勇者、戦士、巫女の場所をパルスにより、ある程度把握できるのだ。
「は? 青の勇者のパルスに異常って、どういうことだよ」
ミズらんが尋ねる。
「だって俺、ピンピンしてるぜ」
そう、青の勇者の魂をもっているのはミズらん。彼自身が無事であるのに、青の勇者のパルスに異常が出るはずがない。
「安心してください、ミズらんさんのパルスは正常です」
「だったら何で……」
「今、青の勇者のパルスが、二重に存在しています」
「二重に?」
「それって、ミズらん以外に青の勇者がいるってこと?」
「それは、何とも言えません。とにかく、確認のためにもう一つの青の勇者のパルスが現れた場所に向かってください」
「その場所って……?」
「――探検家の集う街、トレジャータウンです」
「――って言われて出てきたはいいけどよ」
トレジャータウン外れの海辺で、ミズらんがつぶやいた。
「こう何の手がかりもなくちゃ、探せないよねー」
エセルも同意する。
「見つけたモンっていや、海岸に落ちてたこの石ころぐらいだしな」
不思議な模様が描かれた石を手に、ミズらんがつぶやく。
赤と青の勇者は二人でひと組。互いのパルスを読み解くことが可能だ。
そして、エセルがその石に残った青の勇者のパルス残滓に気付いたのだ。
ミズらんが「見覚えがない」と言った以上、必然的にもう一人のものということになる。
「ったく、魂のドッペルゲンガーなんて、聞いたこともないぜ」
「見つかるといいね、ミズらんのソウルドッペルさん」
「なんだよソレ」
などと話していると、突然あたりが陰に包まれた。
岩陰からキングラーが飛び出してきたのだ。キングラーがハサミを振り下ろす。突然のことで、かわしきれない。その時。
「たあーっ!」
横からプクリンが飛び出し、キングラーを一撃で気絶させた。
「ふう、危ない危ない。このあたりのポケモンはおとなしい筈なんだけど、ちょっと気が立ってたみたいだね」
「あ……お前……!」
プクリンを見て、ミズらんが驚きの声を上げた。
プクリンは二匹のほうを振り返る。
「そ、僕はフリエ。通りすがりの不動産屋さんだよ」
とりあえずフリエは正体不明の不動産屋さんです(笑)
このあとフリエがギルドの親方であることが明らかになり、
青の勇者の情報のためにエセルとミズらんが弟子入りするという展開です。
そのあとはだいたいゲーム通りw
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